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朝の食卓での家族の話題は酒田市内でのカモシカ騒動である。
第一報では、「船場町を歩いてたカモシカが、米穀店の庭に逃げ込み捕獲の手をくぐりぬけ、その後日吉町の光丘神社近くで目撃された」というようなことだった。港座のほんの目と鼻の先である。
私はとっさに、カモシカは日和山に逃げ込んだんだと思った。すぐそこに日和山の森が広がっている。そこに逃げ込まない手はない。アスファルトを走り続けるのはしんどいことだろうし、なにより森の中の方が人間の手から逃れるのに容易だろう・・・しかしそうはならなかった。
第二報で、「カモシカは本楯地区で捕獲され、無事八幡地区の山に放された」とあった。「あれっ・・・・・日和山に逃げ込まなかったんだ。でもカモシカってやっぱり足が速いんだな、あっという間に本楯の方に行っちゃうなんて。それにしても目立っただろうな、カモシカが国道を走ると・・」
そこへ、下の娘の情報。「カモシカって一頭じゃないんだよ、二頭なんっだって」
「・・・おう、そうか。それなら話のつじつまが合う。オスとメスのツガイかもしれない。夫婦のカモシカが、不順な天気のせいで山に食料がなくなり、人里に下りて来て食料を探し回っていたところ、人間の騒ぎで二頭は引き離されてしまったのだ。なんという可哀想なカモシカだろう」
かくしてオスのカモシカはここ港座に程近い日和山の森に逃げ込み、愛する妻を思って啼くのである。
だから、あの音は霧笛ではない。人間の手によって夫婦の仲を引き裂かれた悲劇のオスのカモシカが遠く離れた妻のことを思って咽び泣いているのだ。
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