「反戦映画」という括り方は、
映画を観るワクワクするような気持ちにブレーキをかける。
「反戦映画」と言われると
声高にこれでもかこれでもかと戦争の愚かさやむなしさを主張する
イメージだけれど
この映画はちがう。
時代や戦争に翻弄されながらも、一生懸命に生きる
そんな12人の子どもたちや高峰秀子演ずる大石先生の姿を見て
そのけな気さに心を打たれて、観る者は静かに涙を流す。
タイトルどおり、最後まで「けな気」な「二十四の瞳」を失わない子どもたち。
「二十四の瞳」が見つめているのは、大石先生、そしてその後ろに広がる
「世の中」というもの。
大石先生はその「二十四の瞳」を全身で受け止める。
受け止めるからこそ、大石先生のカオやカラダは凛として光り輝く。
舞台となった瀬戸内海の小豆島出身の小説家
壺井栄の原作のタイトルも同じ。