原題「BUTCH CASSIDY AND SUNDANCE KID」
つまり、西部史上名高い銀行強盗の2人の名前。
この映画によって、アメリカ映画にはストレートというか
単純というか、とてもシンプルなタイトルの映画が多いことを
知りました。
「俺たちに明日はない」の原題も「BONNIE AND CLYDE」
こちらは1967年の作品で
「明日に向かって撃て!」は1969年の作品だから
原題も邦題も「俺たち・・・」を意識しているのだろう。
「俺たち・・」が対象をえぐるように描き出すのと対照的に
「明日・・」はソフィスティケイトされている。
2人の関係はユーモアとウィットに富んでいて
後年の映画に多大な影響を与えている。
例えば、「48時間」とか
文字通り、タイトルどおり「ブッチ・キャシディー」と「サンダンス・キッド」の
軽妙であるけれど固い絆を描いている。アメリカの西部に実在した人物。
現実の2人はこんなわけないと思いながらも、こんな奴らがいたら面白いな~と思わせる。
このポスター、私が買ったはじめての映画のポスター。
2人の間に「エッタ」というキャサリン・ロス演ずる女性の存在がある
でも決して「ブッチキャシディー&サンダンスキッド&エッタ」というような
三人の物語というのではなく。あくまでも
「ブッチ&サンダンス」のふたりの物語。
ただし、この女性「エッタ」の存在を映画は上手く生かしていて
「保安官オールスターズ」に追われて追い詰められた2人が
「エッタ」にボリビア行きを誘うと
「いいわ、でもふたりの死ぬ姿は見ませんからね」
という台詞、この台詞が非常に映画全体に効いてい
るのだ。
ボリビアでの楽しい日々の後、3人は行きずまり、
エッタが「私、家に帰りたいと思うんだけど、どう思う?」という台詞
とともに観客は、ふたりの運命があきらかに終末に向かっていることを意識するのだ。
ブッチもサンダンスも「ああ、好きにしたらいいんじゃないか・・・」と答える。
その答えは一見さりげない響きをたたえながら観る者の心をしんとさせる。
なんかそのさりげなさは、裏の世界に生きる人間たちの「腹のくくり方」の凄みを感じさせる。
そして。物語は終末へと突き進むのだ・・・